「韓国外交」が進む道の話

韓国外交の目指す方向性を示した本が出版されたそうで、書評が載っていたので紹介します。
過去に行われた専門家らの対談を編集したもののようです。提言として10個示されています。最後の段落部分にまとめられているのですが、なんというか...すごくボンヤリしています。そのボンヤリの中から私が読み取れたのは、「自主性」をもって「戦略的曖昧性」を重視し、「米中どちらからも」利益を引き出し、でも「言うべきことはちゃんと言おう」、こんな感じです。

 



アジア経済の記事からです。

[書評]巨人の肩に登って眺めた「韓国外交」の行く道


(前略)

次第に深まっていく米中対立や高まっていく北韓の核実験の可能性、過去史を巡る日本との対立など韓半島を巡る政治外交状況はなかなか解けない糸の固まりのようにゴチャゴチャと絡み合っている。

(中略)

昨年、アジア経済で行われた「外交オデッセイ」シリーズを手動したファン・ジェホ韓国外大国際学部教授がアジア経済とコリアヘラルドで行われた8人の外交安保専門家との対談と繋げて作ったこの本は、米中関係と北韓問題、韓国外交が進むべき道について洞察力のある診断を提供する。

(中略 ※対談参加者を紹介してから)

彼らが口を揃えて韓国の外交に必要だと叫ぶのはまさに「自主性」だ。ユン・ヨンガン前外交通商部長感は米国人に鞭打ちを宣告したシンガポールの「原則ある外交」を模範として提示し「韓国の場合は歴代政府が外交的原則重視に対する側面を考えなかったのではないか」と指摘する。チョン・セヒョン前民主平和統一諮問会議首席副議長も「米国が韓国戦争に介入して勝利を引き出し韓国の発展に役立ったのは事実であり感謝しなければならない部分だが、10位の経済圏・世界6位圏軍事力を備えた韓国は外交的に自国中心性を備える必要がある」と話す。

また、米国だけでなく中国にも「言うことは言う外交」が必要だという指摘だ。ハン・スンジュ元外交長官はサード(THAAD・高高度ミサイル防衛システム)当時「韓国が他の方式で対応できた」として遺憾を表し、中国に「絶対服従」する外交は望ましくないと強調する。

(中略)

同書をまとめたファン教授は碩学たちの助言を基に本の最後に韓国外交に10の政策を提言する。▲地理的・心理的制約を越える▲米国との多層的・多元的協力体系▲韓中戦略的協力の具体化▲米中間選択ジレンマの時は「常識のガードレール」によって判断▲戦略的曖昧性と戦略的鮮明性の並行▲韓半島和平体制関係国の立場調整▲新経済・新安保に注目▲相手国オーダーメイド型・包括的公共外交▲政派を超えた外交安保政策▲組織改編など外交力量革新などだ。

(後略)



アジア経済「[서평] 거인의 어깨에 올라 바라본 '한국 외교'의 갈 길([書評]巨人の肩に登って眺めた「韓国外交」の行く道)」より一部抜粋

読んでいないので勝手な予想でしか無いのですが、恐らく「〜なければならない」の嵐で具体的なこと...例えば、韓国の要求を飲ませるために米中に対して切れるカードは何か、など現実的な話は語られていないんじゃないでしょうか?いかに主張するか、いかに韓国の立場を「分かって」もらうかが韓国の言う外交ですから。
外交は相手があって初めて成立するものであり、相手に対して何でも好き勝手求めることが「自主性」ではないんですけれどねぇ。

「自主性」が大事だとしつつ、結局は戦略的曖昧性ですね。
最後のまとめ部分の「米国との多層的・多元的協力体系」と「韓中戦略的協力の具体化」が堂々と戦略として並んでいるのがスゴイです。
韓国の立場では最適解でも米中の立場ではそうとは思えません。どっち付かずの思わせぶりなだけの韓国に対して、相手が喜んで協力してくれる、提案に乗ってくれると考える根拠はなんでしょうか?もし書いてあるならそこは少しだけ読んでみたい気がします。